防災の常識を疑う【第5回】「災害は特別なもの」という考えをやめよう。
- akiyuki yamasaki

- 7月1日
- 読了時間: 3分

日常を豊かにする「フェーズフリー」という考え方
「防災」と聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょうか。
防災グッズを買う。
非常食を備蓄する。
避難訓練に参加する。
もちろん、どれも大切な備えです。
しかし、それらは「災害のためだけ」の備えになっていないでしょうか。
災害は、いつ起こるか分かりません。
だからこそ、防災を特別なものとして考えていると、「今度やろう」「時間がある時に準備しよう」と後回しになってしまいます。
そこで近年注目されている考え方が、「フェーズフリー」です。
フェーズフリーとは、「日常」と「災害時」を分けて考えるのではなく、普段から使っているものや、普段の暮らしそのものが、災害時にも役立つという考え方です。

例えば、防災用品として専用のライトを購入するだけでなく、毎日の散歩やキャンプで使っているLEDランタンを災害時にも活用する。
防災用の調理器具をしまい込むのではなく、休日のキャンプや庭でのバーベキューで使い慣れておく。
非常食だけを備えるのではなく、普段から食べ慣れているレトルト食品や缶詰を少し多めに買い、使った分だけ補充する「ローリングストック」を取り入れる。
これらは特別なことではありません。
日常を少し工夫するだけで、自然と災害への備えにもなっています。
私たちは、防災グッズを否定しているわけではありません。
むしろ、防災グッズはとても重要です。
しかし、本当に大切なのは「持っていること」ではなく、「普段から使いこなしていること」です。
高価な防災用品を購入しても、一度も使ったことがなければ、災害時に戸惑うかもしれません。
一方で、普段から使い慣れている道具は、いざという時にも落ち着いて活用できます。
また、フェーズフリーは「モノ」だけではありません。
キャンプを楽しむこと。
家族で自然の中へ出かけること。
地域のお祭りやイベントに参加すること。
子どもと一緒に料理をすること。
近所の人と顔見知りになること。
これらもすべて、災害時には大きな力になります。
人とのつながり。
考える力。
工夫する力。
助け合う力。
それらは、特別な訓練ではなく、日常生活の中で育まれていきます。
だから私たちは、防災を「災害のためだけのもの」にしたくありません。
日常を楽しみながら、その結果として災害にも強くなる。
そのような暮らしこそ、本当に豊かな生活ではないでしょうか。
キャンプを楽しむ。
お気に入りの道具を長く使う。
家族で食卓を囲む。
地域の人と笑顔であいさつを交わす。
そんな何気ない日常が、災害時には大切な「備え」になります。
私たちが大切にしているのは、
防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である。
という考え方です。
災害への備えは、特別な日に行うものではありません。
毎日の暮らしを少しだけ豊かにすること。
その積み重ねが、自分を守り、家族を守り、地域を守る力になっていきます。
この記事のポイント
フェーズフリーとは、日常と災害時を分けずに考える防災の考え方
防災グッズは「持つこと」より「使い慣れること」が大切
普段使いできる道具を選ぶことが、無理なく続けられる備えになる
身近な暮らしや人とのつながりも、災害時には大きな力になる
防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である
【次回予告】
災害が発生すると、多くの人が避難所で生活を送ることになります。
しかし、避難生活で本当に困ることは何でしょうか。
食料や水だけでは見えてこない、「生活」の課題があります。
次回は、
「避難所で本当に困ること」
トイレ、衛生、睡眠、プライバシーという視点から、避難生活に必要な備えについて考えます。


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