防災の常識を疑う【第9回】子どもに本当に必要なのは「考える力」
- akiyuki yamasaki

- 7月6日
- 読了時間: 4分

正解を覚えるより、自分で判断できる力を育てよう
「災害が起きたら机の下へ。」
「避難するときは先生の話を聞く。」
子どもたちは学校や家庭で、防災について多くのことを学んでいます。
もちろん、それらは命を守るために大切な知識です。
しかし、災害は教科書どおりには起こりません。
登下校中かもしれません。
家で一人でいる時かもしれません。
家族と離れている時かもしれません。
大人がすぐ近くにいるとは限りません。
そんな時、本当に子どもを守るのは、「答えを知っていること」ではなく、自分で状況を見て考え、判断し、行動する力ではないでしょうか。

私たちは、その力を「考える力」と呼んでいます。
例えば、道が通れなくなったらどうするか。
近くの大人に助けを求めるのか。
安全な場所へ移動するのか。
その場で待つのか。
正解は一つではありません。
だからこそ、「どうしたら安全だろう」と考える力が必要になります。
この力は、防災だけのために育てるものではありません。
日常生活の中でも、
「どうしたらもっと良くなるかな。」
「他の方法はないかな。」
と考える経験の積み重ねが、防災にもつながっていきます。
私たちが防災キャンプを大切にしている理由も、ここにあります。
キャンプでは、子どもたちが初めて経験することがたくさんあります。
テントを張る。
食事を作る。
仲間と役割を決める。
天候の変化に対応する。
思いどおりにいかないことも少なくありません。
でも、その一つひとつが「考える力」を育てます。
大人がすぐに答えを教えるのではなく、
「どうしたらいいと思う?」
と問い掛ける。
仲間と話し合う。
失敗しても、もう一度挑戦する。
その経験は、災害時だけではなく、学校生活や家庭生活、将来の社会生活にも生きてきます。

また、考える力は、一人だけで育つものではありません。
友達と相談する。
家族と協力する。
地域の大人と交流する。
世代を超えたつながりの中で、「違う考え方がある」ことを知り、自分の視野を広げていきます。
だから私たちは、防災教育を「知識を教える授業」ではなく、「体験を通して人を育てる学び」と考えています。
災害はいつ起きるか分かりません。
だからこそ、答えを覚えるだけではなく、どんな状況でも「考え、工夫し、行動できる子ども」を育てることが、未来の地域を守ることにつながります。
その力は、子どもだけに必要なものではありません。
大人も、地域も、一緒に育てていく力です。
そして、その積み重ねが、災害に強い地域をつくり、安心して暮らせる社会へとつながっていきます。
私たちが大切にしているのは、
「防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である。」
という理念です。
子どもたちが自然の中で笑い、挑戦し、失敗し、仲間と助け合う。
その経験は、災害への備えであると同時に、人生を豊かにする学びでもあります。
私たちは、そんな「生きる力」を育てる防災を、これからも地域へ届けていきたいと考えています。
この記事のポイント
子どもに必要なのは「答え」ではなく「考える力」
災害は想定どおりではなく、判断する力が命を守る
防災キャンプは体験を通して考える力を育てる学びの場
子ども・家庭・地域が一緒に育つことが、防災力の向上につながる
防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である
学校・PTA・地域の皆さまへ
「子どもたちに防災を教えたい。」
そう考えたとき、知識を伝えるだけでなく、子どもたち自身が考え、行動する力を育てる体験を取り入れてみませんか。
日本防災キャンプアウトドア協会では、
小学校・中学校向け防災キャンプ
PTA・親子防災体験
教職員研修
地域防災イベント
宿泊型・日帰りプログラム
など、地域や学校の目的に合わせたプログラムをご提案しています。
「うちの学校でもできる?」「まずは話を聞いてみたい」
そんなご相談からでも大歓迎です。
お気軽にお問い合わせください。
【次回・最終回】
ここまで9回にわたり、「防災の常識」を一緒に見直してきました。
避難所、防災グッズ、知識、キャンプ、フェーズフリー、人とのつながり、考える力…。
私たちが伝えたかったのは、「防災とは災害のためだけのものではない」ということです。
最終回では、このシリーズの締めくくりとして、
「私たちが目指す防災とは」
をテーマに、防災キャンプアウトドア協会が目指す未来と、「防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である」という理念について、あらためてお伝えします。



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