防災を学び、つなぎ、広げる力を。
- akiyuki yamasaki
- 6月21日
- 読了時間: 5分
楽しく学び、命を守る人へ。防災キャンプ指導者を全国に
「防災は特別な人のものではなく、すべての人のためにある」――これは私たち日本防災キャンプアウトドア協会が大切にしている信念です。
自然災害が年々増え続ける今、「命を守る力」は誰もが持つべきものです。しかし、防災と聞くと「難しそう」「関係ない」と感じる方もまだ多いのが現状です。だからこそ、私たちは“キャンプ”という誰もが楽しめるアウトドアの場を活用し、防災をもっと身近に、もっと前向きに学べる機会をつくってきました。
そして今、私たちは全国で「防災を楽しく伝える人材=防災キャンプ指導者」の育成に力を入れ始めています。

全国から届く声が私たちの背中を押した
これまで、当協会では親子向けの防災キャンプイベントや、学校・企業・地域団体と連携したワークショップを開催してきました。その活動を通じて、「自分の地域でもやってほしい」「私も指導者になって広めたい」といった声が全国から届くようになりました。
こうした声が、私たちが指導者養成講座の展開に本格的に乗り出す大きなきっかけとなりました。
「備える」ことは難しいことではない
誰にでもある“自分らしい入口”を活かす
防災という言葉には「専門的」「堅苦しい」というイメージがつきまといがちです。けれど本来、防災とは「命を守るための行動」を身につけること。それは、誰にとっても必要な日常の一部です。
たとえば、料理が得意な人なら「防災食」を工夫する力になります。アウトドアが趣味なら、テント設営や火起こしの技術はそのまま災害時の力に。保育や介護、看護などの経験がある人も、避難所で大きな役割を果たせます。
最近では、ペットを家族として暮らす人々から「ペットの避難や防災対策を知りたい」「仲間に伝えたい」という声も増えており、私たちはペット防災に特化した講座づくりも構想しています。
また、退職後の地域貢献を考えるシニア層からの参加も増えてきました。「体力には自信がないけど、自分にも何かできることがあるなら」と、自分の経験や人とのつながりを活かして地域防災の担い手となる方も増えています。
防災に関わるきっかけは人それぞれ。どのような背景・立場の方にも“自分らしい入口”があると、私たちは信じています。
防災を支える多様な視点
地域全体で「備える力」を育む
これからの防災に求められるのは、多様な人々の視点を取り入れることです。高齢者、子ども、障がいのある方、外国人、LGBTQ+、そしてペットを含む家族など、すべての人が「防災の当事者」として扱われる社会が理想です。
そのためには、指導者一人ひとりが多様な立場や価値観に寄り添い、地域の“共助”を自然に生み出せる存在でなければなりません。当協会では、防災の知識や技術だけでなく、地域に溶け込む力、つながりを生み出す力、そして人の話に耳を傾ける力も大切な資質として重視しています。

指導者養成講座の3ステップ
初めてでも安心の学びの仕組み
当協会の指導者養成講座は、「アドバイザー資格(基礎)」「フィールドインストラクター資格(実践)」「ディレクター資格(企画・運営)」の3ステップ構成になっています。
アドバイザー資格では、防災の基礎知識やキャンプの基本スキルを学び、まずは“伝えられる人”になるための第一歩を踏み出します。
フィールドインストラクター資格では、現場での実践力や指導力を高める実地研修を行います。
ディレクター資格では、地域や団体と連携して防災キャンプの企画・運営ができる「防災リーダー」を育てます。
週末の宿泊集中型、平日夜間通学型、地域への出張型など、多様なライフスタイルに対応した受講スタイルを用意しており、誰でも安心してチャレンジできる環境を整えています。

受講後の活躍フィールドとサポート
講座修了後には、協会主催のイベントやワークショップにアシスタントとして参加することができ、実践的な経験を積みながら自信をつけていけます。さらに、地域や学校、企業等からの講師依頼にも、協会としてマッチングを行い、指導者としての活動の場を広げられる仕組みも構築中です。
加えて、講座修了者同士の交流・ネットワーク形成や、フォローアップ講座も開催し、指導者のスキルアップを継続的に支援します。
防災教育の新しいかたちへ
セクターを超えた連携で未来をつくる
私たちは現在、「防災」をキーワードに、さまざまなセクターとの連携による新しい教育のかたちを構想しています。教育機関や自治体はもちろん、企業・医療・福祉業界、ペット関連業界、さらにはアウトドアや観光業とも連携しながら、防災を横断的に学べる場を増やしていく予定です。
また、企業にとっても防災は重要なテーマです。BCP(事業継続計画)やCSR(社会貢献活動)の一環として、社員向けの防災研修や社内キャンプ研修を取り入れる企業も増えており、指導者の活躍の場は今後ますます広がっていくでしょう。
国難級の災害に備えるために
「誰かのために」という気持ちを力に変える
近い将来、南海トラフ地震や首都直下地震といった国難級の大災害が起こる可能性が指摘されています。そうした災害が起きたとき、「自分も何か役に立ちたい」と願う人はきっと多いはずです。
その“気持ち”を“行動”に変えられるかどうか。ここが今後の防災において極めて重要な分岐点だと、私たちは考えています。
大切なのは、「できるかどうか」ではなく、「やってみようと思えるかどうか」。その気持ちを後押しする環境を、私たち協会がつくっていきます。

最後に
防災は、一人の力では限界があります。だからこそ、たくさんの人が関わり、知恵を出し合い、支え合うことで、地域が強くなり、災害に強い日本へとつながっていきます。
私たち日本防災キャンプアウトドア協会は、「楽しさ」と「実用性」を掛け合わせた“防災×キャンプ”という独自のスタイルを通じて、誰もが気軽に、でも本気で防災に関われる未来をつくっていきます。
あなたの経験、知識、そして想いが、必ず誰かの命を救う力になります。ぜひ、指導者としての一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?
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