災害時のアウトドアスキル防災キャンプ体験
活動実績報告
ここでご紹介している活動は、昨年度に実施した取り組みの一部です。
私たちは、小学校での防災キャンプ、企業向け防災研修、医療従事者向けプログラム、地域防災講演など、多様な分野の皆さまと連携しながら活動を行ってきました。
活動を通じて感じることは、防災に「一つの正解」はないということです。
子どもたちには生き抜く力を、企業には従業員と事業を守る力を、医療従事者には自分と家族を守り、地域を支える力を。
地域には、自助と共助による支え合いの仕組みを。
それぞれの立場や地域の特性に合わせながら、楽しさと実践を大切にした防災活動を続けています。
これからも、自治体、学校、企業、医療機関、地域団体など、多様な皆さまと連携し、「知っている」から「行動できる」へつながる防災の輪を広げていきます。
災害はいつ起こるかわかりません。だからこそ、できることはすべてやる。
私たちはこれからも、アウトドアの力を活かし、一人でも多くの人が自分と大切な人を守れる社会を目指して活動を続けていきます。
2025年〜主な活動
2025年9月
■ 小学校防災キャンプ
・長野市立小学校
・大町市立西小学校
・親子防災キャンプ
【小学校防災キャンプの成果】
防災キャンプを通じて私たちが目指しているのは、防災の知識を増やすことだけではありません。子どもたちが「自分で考え、自分で行動する力」を身につけること。そして、困った時に仲間と協力し、助け合うことができる力を育むことです。
火を起こす、水を確保する、テントを設営する、仲間と役割を分担する。
一つひとつの体験を通して、子どもたちは失敗しながらも挑戦し、「自分にもできる」という自信を身につけていきます。
また、キャンプ終了後には、
・家庭で防災について話すようになった
・防災用品を親子で確認した
・家族で避難場所を調べた
・普段から周りを気にかけるようになった
など、防災意識が家庭へ広がる様子も見られています。
防災キャンプは、災害時のためだけの学びではありません。
生きる力を育て、未来の地域を支える人材を育む学びの場でもあると私たちは考えています。
2025年10月
▪️長野県須坂市内の自治会
【地域向け防災講演の成果】
須坂市内の自治会を中心に、「女性視点の防災」「ペット防災」「自助と共助」「フェーズフリー」などをテーマとした防災講演を実施しました。
従来の防災講演では、日頃から防災に関心の高い方々の参加が中心となる傾向があります。しかし今回の講演では、「防災×キャンプ」「女性」「ペット」「日常と防災をつなぐフェーズフリー」といった身近なテーマを取り入れたことで、これまで防災講座に参加したことがない方々にも興味を持っていただくことができました。
参加者からは、
「災害を初めて自分ごととして考えることができた」
「家族やペットを守るために備えが必要だと感じた」
「防災は特別なことではなく、日常の延長にあることが分かった」
といった声が寄せられ、防災を身近な問題として捉えるきっかけづくりにつながりました。
一方で、
「備えることの大切さは理解できたが、具体的に何から始めればよいのか分からない」
「学んだことを継続して行動に移す仕組みが必要」
という声も多く聞かれました。
今回の講演を通じて、防災を“自分ごと化”する第一歩は踏み出せたものの、それを具体的な行動へとつなげ、継続できる仕組みづくりが今後の大きな課題であることを改めて実感しました。
2025年10月
▪️埼玉県の企業様より社員向け防災研修
【企業向け防災研修の成果】
埼玉県の企業様より社員向け防災研修のご依頼をいただき、実践型ワークショップを開催しました。
研修では、「火起こし」「ナイフワーク」「ロープワーク」を中心に、災害時にも役立つアウトドア技術を実際に体験していただきました。
参加者の中には普段からキャンプを楽しんでいる方もいれば、「キャンプには興味がなかった」という方もいました。しかし、実際に自分の手を動かし、火を起こし、ロープを結び、ナイフを使う体験を通じて、参加者の意識に変化が生まれました。
「思っていた以上に面白かった」
「キャンプを始めてみたくなった」
「災害の時に子どもを守れるかもしれない」
「火を使う技術や知識の大切さを実感した」
このような声が多く聞かれ、防災を単なる知識として学ぶのではなく、自分自身の生活や家族を守る力として捉えていただく機会となりました。
また、社員一人ひとりが災害時に何ができるのかを考えるきっかけとなり、個人の自助力向上だけでなく、企業としての事業継続力(BCP)やチームで支え合う共助の意識向上にもつながる研修となりました。
2025年11月
▪️三重県桑名市
伊曽島小学校5年生
【三重県桑名市 伊曽島小学校5年生 防災キャンプ】
11月、三重県桑名市の伊曽島小学校5年生を対象に、体育館を避難所に見立てた1泊2日の防災キャンプを実施しました。
桑名市は、昭和34年に発生した伊勢湾台風で甚大な被害を受けた地域です。校舎内には当時の被害状況を伝える写真が展示されており、災害の記憶を次世代へ伝え続ける学校の姿勢がとても印象的でした。
今回の防災キャンプは、5年生担任の先生からのご依頼により実現しました。小学校としても初めての取り組みであり、子どもたちは「学校に泊まれる!」という特別な体験に胸を躍らせ、始まる前からとても楽しみにしている様子でした。
当日は、体育館でのテント設営やロープワーク、校庭での火起こし体験、そして教室では「自然災害について」や「命を守る五要素」をテーマに講義を行いました。
初めてロープを結ぶ子、なかなか火がつかず何度も挑戦する子、友達と協力してテントを完成させる子。
子どもたちは一つひとつの体験に真剣に向き合い、楽しみながらも「災害時に自分たちはどう行動するのか」を自然と考えているように感じました。
また、今回はNHK三重放送局にも取材していただき、地域の防災教育への関心の高さを感じる機会にもなりました。
私自身、子どもたちの真剣な眼差しや積極的に挑戦する姿に心を動かされ、いつも以上に熱を込めて伝えていました。
災害は経験しないことが一番ですが、もしもの時に自分の命を守り、大切な人を支える力は、日頃の体験の積み重ねによって育まれます。
伊勢湾台風の記憶を受け継ぐこの地域で、子どもたちと共に「生き抜く力」を学べたことは、私たちにとっても忘れることのできない貴重な経験となりました。
2025年11月
▪️信州まちの減災ナースの会
【医療従事者向け防災体験の成果】
信州まちの減災ナースの会と連携し、「医療者自身が生き抜く力」をテーマに、1泊2日の宿泊型防災体験を実施しました。
プログラムでは、在宅避難を想定した生活維持の方法や水の確保、アウトドア技術を活用した防災について学び、災害時に医療者としてだけではなく、一人の生活者として「生き抜く力」を身につけることを目的としました。
開催時期は11月中旬。朝晩の冷え込みは厳しく、テント内の気温も低い環境でした。しかし、事前に学んだ「体温保持」の知識や装備の工夫を実践することで、
「寒かったけれど、思っていたより快適に過ごすことができた」
「災害時に体温を守ることの重要性を身をもって実感した」
という声が聞かれ、知識を実際の環境で体験することの大切さを改めて感じる機会となりました。
また、今回の講習では、避難生活で起こりうる様々な課題や、女性ならではの視点、防災における配慮の必要性など、私たち自身にとっても多くの学びがありました。
医療の専門知識と、アウトドアの実践知。
それぞれが持つ知識や経験を持ち寄り、互いに学び合うことで、これから起こり得る未曾有の災害に対して、「できることは全てやる」という強い想いを共有することができました。
もちろん、まだ十分とは言えません。
だからこそ、これからも学び続け、備え続けることが大切だと感じています。
寒さの厳しい環境の中、最後まで前向きに挑戦し続けた参加者の皆さまに、心から感謝いたします。











