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防災の常識を疑う【第8回】災害時に本当に必要なのは「何とかする力」

「防災の常識を疑う」は、防災を"特別な知識"ではなく、"日常を豊かにする生きる力"として考える、日本防災キャンプアウトドア協会の連載シリーズです。

正解がないからこそ、考え、工夫し、行動する
正解がないからこそ、考え、工夫し、行動する

想定外を乗り越える「生きる力」とは

災害は、私たちの想定どおりには起こりません。

停電するかもしれない。

断水するかもしれない。

道路が寸断されるかもしれない。

避難所がいっぱいで入れないかもしれない。

家族と離れ離れになるかもしれない。

つまり、災害とは「想定外」の連続です。


だからこそ、防災で最も大切なのは、「正解を知っていること」ではありません。

その場の状況を見て考え、工夫し、行動する力。

私たちはそれを、「何とかする力」と呼んでいます。


例えば、予定どおりにいかないことは、日常生活でもよくあります。

突然の雨で予定を変更する。

冷蔵庫にある食材で夕食を考える。

子どもの体調に合わせて予定を組み直す。

仕事で思わぬトラブルが起きても、周囲と相談しながら解決策を探す。

こうした経験は、実はすべて「何とかする力」を育てています。


災害時も同じです。

マニュアルどおりにいかない状況の中で、自分にできることを考え、周囲と協力しながら最善の方法を見つけていくことが求められます。

私たちが防災キャンプを続けている理由も、ここにあります。

キャンプでは、自然が相手です。

天候が変わることもあります。

予定していた場所が使えないこともあります。

思うようにいかないことも少なくありません。

そんな時、「できない」で終わるのではなく、「どうしたらできるだろう」と考える。

仲間と相談する。

役割を分担する。

工夫して乗り越える。

その積み重ねが、災害時にも役立つ「何とかする力」を育てていきます。


ここで大切なのは、「完璧」を目指さないことです。

災害時には、100点満点の答えはありません。

その時、その場所で、自分にできる最善を考えること。

それが命を守り、生活を支えることにつながります。

また、「何とかする力」は、一人だけの力ではありません。

家族がいる。

地域の人がいる。

友人がいる。

支え合える仲間がいる。

だからこそ、「一緒に何とかしよう」という気持ちが生まれます。


これまでのシリーズでもお伝えしてきたように、防災は知識だけではなく、人とのつながりや日常の経験が大きな力になります。

キャンプを楽しむこと。

家族で食事を作ること。

地域の行事に参加すること。

子どもと一緒に自然の中で遊ぶこと。

どれも災害を目的にしているわけではありません。


しかし、その一つひとつの経験が、「何とかする力」を少しずつ育てています。

私たちが目指している防災は、恐怖を与える防災ではありません。

「災害が来るから備えよう」ではなく、

「日常をもっと楽しもう」。

その結果として、災害にも強くなる。

そんな暮らしを広げていきたいと考えています。

だからこそ、

防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である。

という理念を大切にしています。


災害は、想定どおりには起こりません。

だから必要なのは、「完璧な備え」ではなく、「何とかする力」。

日常の中で経験を重ね、人とつながり、考えることを楽しむ。

その積み重ねこそが、未来の安心につながる、本当の防災なのです。

この記事のポイント

  • 災害は想定外の連続である

  • 防災で最も大切なのは、正解を知ることではなく、その場で考え行動する力

  • 「何とかする力」は、日常生活やキャンプなどの体験から育まれる

  • 完璧な備えよりも、工夫しながら乗り越える力が大切

  • 防災は知識ではなく、日常を豊かにする生きる力である

【次回予告】

「子どもは守られる存在」

そんなイメージを持っていないでしょうか。

しかし、子どもたちは「考える力」を育むことで、災害時にも自分で判断し、周囲と協力できる存在になります。


次回は、

「子どもに本当に必要なのは『考える力』」

防災教育の新しい視点について、一緒に考えていきます。

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