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冬の連載テーマ「命を守る“冬の防災力”」第5回:子どもに伝えたい「冬を生きる力」

― 雪遊びは、最高の防災教育 ―

はじめに|防災は「教える」ものではない

防災という言葉を聞くと、多くの大人はこう考えます。

「ちゃんと教えなければ」「正しい知識を覚えさせなければ」「危険を理解させなければ」

もちろん知識は大切です。しかし私たち日本防災キャンプアウトドア協会は、少し違う視点を持っています。

防災は、教え込むものではなく、体で感じ、体で覚えるものだと考えています。

そして冬は、その最高の教材を私たちに与えてくれます。

それが——雪遊びです。


▪️遊びは「生きる力」を育てる

子どもたちは、遊びの中で本能的に学びます。

雪を触れば、冷たさを知る。雪玉を握れば、指先がかじかむ。走れば汗をかき、止まれば急に寒くなる。

これは、教科書では学べない「生きる感覚」です。

防災の本質は、自然とどう向き合うかということ。

雪遊びは、その最前線です。

  • どこが滑りやすいか

  • どこが安全か

  • どれくらいで寒くなるか

  • 体がどう変化するか

子どもは、遊びながら自然のリスクと距離感を学びます。

私たちは、危険を遠ざけることだけが安全だとは考えていません。小さなリスクを経験することが、大きな災害への備えになる。

それが、防災キャンプの根底にある思想です。

▪️火・雪・寒さ・暗さと向き合う経験

冬には、自然のエッセンスが凝縮されています。

● 火との付き合い方

焚き火は暖かく、安心感を与えます。しかし扱いを誤れば危険です。

子どもが火のそばに立ち、大人が見守りながら「どう扱うか」を学ぶ。

これは、防災そのものです。

● 寒さとの付き合い方

「寒い」と感じたらどうするか。

  • 重ね着をする

  • 動く

  • 風を避ける

  • 温かいものを飲む

こうした行動を体で覚えることが、低体温を防ぐ力になります。

● 暗さとの付き合い方

冬は日が短く、暗くなるのが早い。ヘッドライトやランタンの光に安心する経験は、停電時の不安を軽減します。

防災キャンプでは、あえて暗さを体験する時間をつくることもあります。

暗闇は怖いものではなく、扱い方を知れば怖くないものだと体で理解することが大切です。


▪️親ができることは「教える」より「一緒に感じる」こと

では、親にできることは何でしょうか。

それは、知識を詰め込むことではありません。

  • 「寒いね、どうする?」と問いかける

  • 「火はどうしたら安全かな?」と考えさせる

  • 「暗くなると何が困る?」と一緒に想像する

答えを先に言うのではなく、一緒に考える姿勢が、子どもの防災力を育てます。

そして何より大切なのは、親自身が楽しんでいる姿を見せることです。

防災が「怖いもの」になるか、「生きる力」になるかは、大人の関わり方で大きく変わります。

▪️協会の活動と、次世代への想い

日本防災キャンプアウトドア協会が目指しているのは、「防災を教える人」を増やすことではありません。

私たちが育てたいのは、人が考え、動き、生き抜く力を引き出せる指導者です。

子どもが雪の中で転び、立ち上がり、笑い、また挑戦する。その姿を見守りながら、必要なときだけ手を差し伸べる。

それが、私たちの考える防災教育です。

冬を楽しめる子どもは、冬の災害にも強い。

自然を怖がらず、自然を侮らず、自然と共に生きる感覚を持つ子どもたち。

その感覚こそが、未来の日本の防災力を底上げしていくと信じています。

おわりに|防災を「文化」にするために

この冬の連載では、

  • 冬の災害の危険性

  • 体温を守ることの重要性

  • 停電との向き合い方

  • 孤立を防ぐ共助

をお伝えしてきました。

そして最後に伝えたいのは、防災は特別な準備ではなく、日常の中で育てる文化であるということです。

雪遊びは、最高の防災教育。

遊びの中に、生きる力がある。

日本防災キャンプアウトドア協会は、これからも「楽しい防災」「文化としての防災」を広げていきます。

次回からは、“今日からできる実践編”です。

今日からできる「日常防災」5つのアクション

防災は、特別な準備をすることではありません。非常袋を完璧に整えることでもありません。


大切なのは、日常の中に、少しずつ防災を溶け込ませること。

キャンプやアウトドアの知恵をヒントに、ご家庭でも無理なくできる実践を、

3回に分けてお届けします。

  • 買い足さなくてもできること

  • 家の中で今日から試せること

  • 子どもと一緒に取り組めること

そんな「小さな行動」を、具体的に紹介していきます。

防災は、怖がるものではなく、暮らしを整えること。

次回からの実践編、どうぞお楽しみに。


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