災害に強い街づくりは日常から始まる
- akiyuki yamasaki
- 5 日前
- 読了時間: 5分
― 自助・共助・公助を、身近なアウトドア体験で学ぶ
「災害に強い街づくり」という言葉はよく耳にします。しかし実際には、どこから始めればいいのか分からない、何をすれば“強い街”になるのかイメージできないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、防災の基本である 「自助・共助・公助」 をテーマに、日常の暮らしやアウトドア体験から学べるヒントを紹介します。
「特別なこと」ではなく「身近なこと」から始める防災。それが、災害に強い街を育む最初の一歩です。
◉防災の三本柱 ― 自助・共助・公助とは?
防災を考える上で欠かせないのが 「自助・共助・公助」 という考え方です。
自助 … 自分や家族の身を自分で守ること
共助 … 地域や周囲の人と助け合うこと
公助 … 行政や国が提供する制度や支援
この3つがバランスよく機能することで、社会全体が大きな災害にも立ち向かえるようになります。
ただし、災害が起きてすぐに頼れるのは「自助」と「共助」。行政による公助はどうしても時間がかかるため、最初の数日間を生き抜く力は、日常の備えと地域のつながりにかかっています。

◉自助を学ぶ ― アウトドア体験は最高の教材
「自助」は、自分と家族を守るために必要な備えです。
キャンプで学ぶ自助力
アウトドア体験は、まさに自助のトレーニング。
テントを張る=避難所での空間づくり
火を起こす=停電時の調理法
水を確保する=断水時の生活術
寝袋で眠る=快適な睡眠環境の確保
普段からキャンプをしている人は、災害時に「体験済みのスキル」として応用できます。
小さな自助の積み重ね
特別なアウトドア経験がなくても、日常の中に自助を育む方法はあります。
備蓄食材を非常時に試し調理してみる
停電を想定して「一晩ライトだけで過ごす」体験をしてみる
家族で「もしも地震が来たら?」というシミュレーションをしてみる
これらの小さな体験は、いざという時の大きな安心につながります。

◉共助を育む ― 地域のつながりが命を守る
大きな災害が起こったとき、最初に助け合えるのは「ご近所」や「地域の仲間」です。
防災キャンプでつながる地域
地域で防災キャンプを行うと、普段は挨拶程度の関係しかなかった人たちが一緒に火を起こし、食事を作り、テントを張ることで自然と会話が生まれます。
「この人はロープワークが得意」「この人は子どもの面倒を見るのが上手」「この人は医療知識がある」
キャンプを通じてお互いの強みを知ることは、災害時の役割分担にそのまま生かされます。
共助の実感が街を変える
「助けてもらった」「自分も役に立てた」という実感は、地域全体の防災力を高めます。共助は単なる理屈ではなく、人と人との信頼関係から生まれるもの。
だからこそ、日常の中で共助を育む仕組みが必要であり、防災キャンプはその絶好の機会となります。

◉公助を知る ― 行政と市民の連携
もちろん、公助=行政の支援も欠かせません。しかし公助は、どうしても「発災から数日後」に届くものだと理解しておく必要があります。
公助に頼りきらない意識
行政がすぐに物資や支援を届けられない場合でも、自助と共助があれば命を守ることができます。だからこそ、「公助を待つのではなく、支援が届くまで持ちこたえる準備をする」ことが大切です。
公助を活かすための準備
行政が備えるマンホールトイレや備蓄倉庫も、使い方を知らなければ役に立ちません。防災キャンプで実際に体験しておくことで、いざという時にスムーズに公助を活用できます。
◉防災キャンプが育む「三位一体の防災力」
防災キャンプは、自助・共助・公助をつなげる場です。
自助:個人や家庭の備えを体験的に学ぶ
共助:地域の人と関わり合いながら協力関係を築く
公助:行政の支援体制を知り、どう活かすかを考える
この三つが循環することで、災害に強い街づくりが始まります。
◉日常から防災を楽しむ工夫
災害に強い街づくりは「特別な防災の日」だけで実現するものではありません。日常の中に小さな工夫を取り入れることで、自然と防災意識は高まります。
「アウトドア料理」を月に1回試してみる
家族で「もしもの時の集合場所」を話し合ってみる
地域イベントに防災体験を組み込む
これらはすべて、楽しみながら防災を身につける方法です。

◉街を守るのは「日常の積み重ね」
災害に強い街づくりは、一朝一夕ではできません。大切なのは「日常の小さな積み重ね」です。
家族でのキャンプ体験が自助を育む
地域での防災キャンプが共助を育む
行政とつながる仕組みが公助を育む
これらが合わさった時、初めて「災害に強い街」が生まれます。
◉おわりに ― 次回予告
今回は、防災の三本柱「自助・共助・公助」を、アウトドア体験と結びつけながら紹介しました。「日常の中でどう防災力を育むか?」という視点を持てば、防災はもっと身近で楽しい取り組みに変わります。
次回は、今回も少し触れた 「フェーズフリー」 をテーマに掘り下げます。「平常時」と「非常時」を分けずに考えるライフスタイルとは?キャンプ道具や日用品をどのように“楽しみながら備え”に変えていけるのかをご紹介します。
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